従業員のために賃上げしたい一方で、「利益が残らない」「価格改定をお願いしにくい」「人材を確保するためには待遇改善が必要だ」と悩む中小企業は少なくありません。
賃上げは、人材定着や採用力の向上につながる重要な経営投資です。
しかし、賃上げの原資を確保しないまま人件費だけを増やすと、利益や資金繰りを圧迫するおそれがあります。
賃上げを継続するためには、価格転嫁、原価管理、業務改善、生産性向上、賃金制度の見直しを一体で進めることが重要です。
賃上げは「人件費の増加」ではなく、会社の成長に向けた投資です
賃上げは従業員の生活を支えるだけでなく、離職防止、採用力の向上、仕事への意欲や定着にもつながります。
一方で、基本給や時給の引上げは毎月継続するコストです。
十分な原資を確保しないまま賃上げを行うと、利益が圧迫され、設備投資や人材育成に回す資金まで不足する可能性があります。
大切なのは、賃上げを単独で考えず、「利益をどのように確保するか」とセットで検討することです。
賃上げ原資をつくるための4つの視点
1.価格転嫁を進める
原材料費、エネルギー費、物流費、外注費、人件費が上昇しているにもかかわらず、販売価格や取引価格に反映できなければ、その負担を自社だけで抱え込むことになります。
価格改定は単なる値上げのお願いではありません。品質を維持し、従業員を雇用し、安定して商品・サービスを提供し続けるための取引条件の協議です。
2.原価と採算を見える化する
売上が増えていても、材料費や外注費、人件費、無償対応などのコストが増えていれば、利益は残りません。
商品別、サービス別、案件別、顧客別に採算を確認し、「どこで利益が出ているのか」「どこで利益が失われているのか」を把握することが、価格改定や受注判断の第一歩になります。
3.業務改善と生産性向上を進める
価格転嫁だけでなく、自社の中で無駄な業務、重複作業、属人化した仕事を減らすことも、賃上げ原資をつくるために重要です。
勤怠、見積、請求、受発注、顧客管理などの業務を見直し、ITやAIも活用しながら、従業員がより付加価値の高い仕事に時間を使える状態をつくりましょう。
4.賃上げを人材定着につながる仕組みにする
賃上げは、単に給与額を上げるだけでは十分ではありません。
従業員が「何を期待されているのか」「どう成長すれば処遇が上がるのか」を理解できるよう、役割、評価、育成、賃金制度を整理することが大切です。
まずは自社の現状を確認しましょう
次の項目に当てはまる場合は、賃上げと利益確保を一体で見直すタイミングかもしれません。
- 賃上げしたいが、原資をどう確保すればよいか分からない
- 売上はあるのに、利益や現金が残らない
- 価格改定を長年していない
- 商品別、サービス別、顧客別の採算が分からない
- 原材料費や労務費の上昇分を価格に反映できていない
- 人手不足や離職への対策として、給与や評価制度を見直したい
- IT・AI・設備投資により、生産性を高めたいと考えている
賃上げ・価格転嫁・人材定着を一体で進めるために
賃上げを継続できる会社になるためには、利益を確保し、人材が定着し、従業員一人ひとりがより付加価値の高い仕事に取り組める環境を整えることが必要です。
美海社会保険労務士事務所では、中小企業診断士・社会保険労務士の視点から、収益構造の確認、価格転嫁、原価管理、業務改善、賃金・評価制度、助成金・補助金の活用まで、経営と労務を一体としてご支援します。
賃上げと利益確保の両立にお悩みの事業者様は、お気軽にご相談ください。
