大型補助金の多くは、賃上げに取り組む事業者に対して補助上限額を引き上げる「賃上げ特例」を設けています。設備投資の計画と賃上げ計画を連動させることで、同じ投資内容でもより多くの補助を受けられる可能性があります。

賃上げ特例とは

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金など主要な大型補助金では、一定の賃上げ率(給与支給総額や最低賃金の引き上げ)を達成する計画を盛り込むことで、通常枠より高い補助上限額が適用される仕組みが用意されています。例えば、従業員規模ごとに定められた通常の補助上限額が、賃上げ特例の適用によってさらに引き上げられるケースがあります。

製造業が賃上げ特例を活用しやすい理由

  • 設備投資による生産性向上と賃上げは、事業計画上セットで説明しやすい
  • 「省力化投資で生まれた余力を賃金に還元する」というストーリーは審査上も説得力を持ちやすい
  • 賃上げ計画は、若手人材の採用競争力向上にも直結し、技能承継の観点からもプラスに働く

実務上の注意点

  • 賃上げ特例の要件となる賃上げ率や対象期間は制度・年度によって異なるため、最新の公募要領を必ず確認する
  • 賃上げの未達成が判明した場合、補助金の一部返還を求められるリスクがある
  • 賃上げ計画は就業規則・賃金規程の変更を伴うため、労務面の手続きも並行して進める必要がある

進め方の目安

  1. 設備投資による生産性向上の見込みを試算する
  2. その効果を踏まえた実現可能な賃上げ率を設定する
  3. 賃金規程の改定手続きを労務面から並行して準備する
  4. 補助金の申請書類に賃上げ計画を明確に盛り込む

社労士・診断士からのアドバイス

賃上げ特例の活用は、単に補助上限を上げるためのテクニックではなく、実際に賃金規程を改定し、着実に履行する体制が伴わなければリスクにもなります。事業計画の策定と賃金規程の改定を一体で進めることで、無理のない賃上げ計画を実現できます。

まとめ

賃上げ特例をうまく活用すれば、同じ設備投資でもより大きな補助を受けられる可能性があります。一方で、履行できない賃上げ計画はリスクにもなるため、実現可能性を踏まえた計画策定が重要です。

賃上げ計画と補助金申請を連動させた進め方について相談されたい方は、お気軽にお問い合わせください。