最低賃金の引き上げを、投資へのきっかけに変える

最低賃金の引き上げは、多くの中小企業にとって避けられない課題です。しかし、賃上げを「コストの増加」として受け止めるだけでなく、生産性を上げる設備投資と組み合わせることで、賃上げの負担を和らげながら現場改善を進める——それを後押しするのが業務改善助成金です。

対象となる企業
中小企業・小規模事業者が対象で、業種によって資本金額または従業員数のいずれかの基準を満たす必要があります。ポイントは、事業場内で最も時給の低い労働者の賃金が、令和8年度に改定される地域別最低賃金にまだ届いていない事業場であることです。令和8年度からはこの対象範囲が広がり、これまで対象外だった事業場も申請しやすくなりました。

助成の仕組み
賃上げ額に応じて50円・70円・90円の3つのコースがあり、どのコースを選ぶか、そして何人分の賃金を引き上げるかによって、助成される上限額が変わります。助成率は、引き上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満であれば4/5、1,050円以上であれば3/4です。上限額は通常の事業者で最大450万円、一定の条件を満たす特例事業者では最大600万円まで引き上げられます。設備投資にかかった費用と、この上限額を比べて低いほうが実際の助成額になります。

申請のタイミング
令和8年度は9月1日から申請受付が始まります。最低賃金の改定に合わせて秋に申請が集中する制度のため、設備投資の見積りや賃上げ計画は早めに準備しておくことが重要です。

このような企業におすすめ
店舗運営や現場作業など、パート・アルバイトを含めた人員体系の中に最低賃金に近い時給で働く社員がいる企業は、規模の大小にかかわらず検討する価値があります。当事務所では、どのコースを選べば無理のない賃上げ計画になるか、財務分析を踏まえて一緒に検討します。